サウンド・メイクのための トップ・トーン・フォー・サクソフォン

ATNから「サウンド・メイクのための トップ・トーン・フォー・サクソフォン」が発売になりました。


ATN サウンド・メイクのための トップ・トーン・フォー・サクソフォン 販売価格2100円


<ライフ・ワークとして取り組むにふさわしい、サウンド・メイクの決定版>
1841年に発明されて以来、サクソフォンはオーケストラにおける重要なトーナル・パレットとなってきました。初めてサクソフォンを使う曲を作曲したのはGeorge Kastnerで、彼のオペラLe Dernier Roi de Juda(1844年)に用いました。その後は、HalevyのオペラLe Juif errant(1852年)、フィラデルフィア出身のWilliam Henry Fryによる交響曲Santa Claus Symphony(1853年)およびシンフォニック・ポエムHager in the Wilderness(1854年)やその他の作品、George BizetのArlesienneにおける重要なパート(初演は1872年パリで行われた)などがあります。

それ以来今日まで、サクソフォンは単体あるいは複数で何百回とオーケストラにフィーチュアされ、オペラ、交響曲、序曲などで聴くことができます。Thomas、D'Indy、D'Albert、Strauss、Debussy、Kodaly、さらに近現代ではRavel、Hindemith、Honegger、W.Walton、R.V.Williams、Villa-Lobos、B.Britten、Prokofievその他大勢の作曲家がサクソフォンをフィーチュアしています。

サクソフォンの使用によって、オーケストラにより一層の表現力と特徴的なカラーが加わることは明らかです。 フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、バスーンなどのさまざまなカラーをもつ楽器に比較しても絶大な表現力を発揮したRascherは、サクソフォンの高音域が限定されるのはパフォーマーの能力が足りないためであり、楽器自体や発明者のせいではないことを示しました。

タイトルを見るとハイ・トーンのための本だと思われるかもしれませんが、本書が何十年にもわたって世界中のサクソフォン・プレイヤーに、また世界中の音楽大学などで使われてきた理由は、ハイ・トーンだけではありません。

ハイ・トーンを学ぶ過程で欠かせない倍音のトレーニングは、最も効果的なサウンド・メイク(音色創り)のトレーニングでもあります。実際に、魅力的な音色で演奏しているサクソフォン・プレイヤーたちは、倍音を用いたトレーニングを必ず行っています。つまり、アンブシュアを鍛えたりエアの正確な使い方を身に付けるためには、倍音のトレーニングが欠かせないということです。

ハイ・トーンおよび倍音のトレーニングは、イヤー・トレーニングをすることにもなります。自分の内面にしっかりとしたイメージを先行させない限りハイ・トーンや倍音を出すことは難しい上に、ピッチの正確さや音色などのコントロールも要求されるためです。正確なピッチで倍音のトレーニングを続けていると、プレイヤーのスキルはもちろん、楽器がその振動数で鳴りやすく(“抜け”がよくなる状態)なります。

本書をすべて完璧にマスターするためにはかなりの時間がかかりますが、そのプロセスにおいて、自分のサウンドが変化していく実感を得られるはずです。ライフワークとして取り組むのにふさわしい内容で、一生モノであると言っても過言ではありません。

本書は、通常のレンジにおけるフィンガリングがわかり、実際にサクソフォンで音を出すことができるプレイヤーを対象としています。

<本書の主な内容>
・前書き
 (1stエディションに寄せた前書き)
 (2ndエディションに寄せた前書き)
 (3rdエディションに寄せた前書き)
・サステインド・トーン(ロング・トーン)
・階段状のダイナミクス
・トーン・キャラクターの均一性
・トーン・イマジネーション
・4thインターヴァルと5thインターヴァル
・オクターヴ、4thインターヴァル、5thインターヴァル
・自然倍音
・倍音を使ったエクササイズ
・ハイFよりも高い音のフィンガリング
・スペシャル・エクササイズ
・倍音を用いて演奏するスケール

Sigurd M. Rascher 著
翻訳 佐藤 研司
菊倍/40頁 定価 2,100円 〔本体 2,000円+税〕

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