日本企画から誕生した”音楽的”なモデリングギターがついに発売
チラホラと、ネット記事などでは話題に登っていたVOXのNEWギター「Starstream type 1」が、chuya-online.com FUKUOKAにもやってきましたよ!
なんと、今回メーカーの担当者を迎えて、当店のUSTREAMチャンネルである”chuya-online TV’にて生配信、モデリングギターとしての魅力をあますことなく配信しようと、急遽決定しました。
スタジオに駆けつけてくれたお客様も、配信終了後には、その完成度の高さを実感されていたようです。その出音や機能に驚愕したスタジオの模様を、写真とともにリポートしていきましょう。
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モデリングといえども「似せる」より大切な”音楽的”というゴールを課されたギター
まず、”モデリング”と聞いて思い浮かべるのが、ヴィンテージなど手に入りづらい高価なギターの音が出るのでは? という期待感ではないでしょうか?
しかし、この「Starstream:スターストリーム」と名付けられた不思議なルックスを持つギター、有名なギターのモデリングトーンを出力しますが、「その先」をコンセプトとして開発されています。
奇抜なルックスとは裏腹に考えぬかれたプレイヤビリティが魅力
モデリングのトーンを選択するゾーンには、9種類のインストゥルメンタルグループが用意され、3WAYスイッチによってピックアップパターンまでチョイスすることが可能。DRIVE/REVERBつまみは、エレクトリック系で歪み、アコースティック系でリバーブのかかり具合を調整できます。
また、2つのユーザープリセットも用意されているので、好きな音色をバンクさせて、演奏しながら複数のギターをいったりきたり、エレキとアコースティックを瞬時に切り替えることができます。
ちなみに、ここでも3WAYスイッチを活用することができますので、6つのオリジナルサウンドを記憶させて、曲中の音色切り替えに合わせた順序も実現可能なのです!
外枠のような樹脂フレームが、外観の最たる特徴ですが、中心部は「木」が使われています。そして、できるだけ木部の質量を小さくし、信号を均質化させ、モデリングに影響を与えないための工夫が見てとれます。ネックはメイプル、指板はローズウッドと、よく見る仕様ですが、ボディ本体はウクレレなどによく使用されるマンゴーを採用。マンゴーは、マホガニーとメイプルの音響特性に似ている部分があり、採用されました。
ピックアップ周りは、専用開発のミニハムと、ブリッジに仕込まれたピエゾピックアップの2種類。あくまでこれらのピックアップを通った音が、「AREOS-Dシステム」というVOX独自の技術によって、デジタル処理され、アウトプットされます。
スタンダードなエレキ・アコースティックのモデリングの他に、SPECIALというグループも用意され、シンセベースなど、従来では発音にタイムラグを感じながら使用していたサウンドがダイレクト感あふれる弾き心地で楽しめます。UNIQUEというグループには、シタールやバンジョーといった、オリエンタルなモデルが。
ユースト配信をご覧になっていただければ、その出音の良さは十分に伝わるのではないでしょうか。なにより、実際にピッキングしたときの発音スピードに驚かれると思います。
(フロント) |
(バック) |
(ミニハムとピエゾ内蔵トレモロ) |
(樹脂フレームを支えるためのフレーム) |
(写真右側の裏蓋には電池ボックス。単三電池4本によって駆動する) |
(ペグは14:1のものと18:1の2種類の設定がある) |
もう少し詳しくみていくと、指板のラディアスは310Rでフレットはミディアムジャンボ、ストラップのエンドピンを2箇所とすることで、様々な演奏スタイルに対応しています。
レイテンシーは、なな、なんと1msec(!)。千分の1秒まで詰めてきました。これだけで欲しい上級者もいるのではないでしょうかね〜。これが、当ギターの魅力を最大限まで高めていると確信できます。
”Starstream type 1”の展開カラーは、全部で5カラー。
シースルーのブラック塗装で木目が見えていて外枠がメタリックカラーのモデル(フレームはブラック・ホワイト・レッド)があり、18:1のギア比を持つペグを採用する上位モデルが3色ラインナップしています。
ボディをソリッドペイントされたスタンダードモデルもあり、そちらは14:1のペグが装備されています。こちらは、外枠のフレームがブラックで共通しており、ボディカラーがセミグロスブラックとセミグロスレッドの2色。
※定価は、シースルー塗装&メタリックフレームモデルが95000円、ソリッド塗装&ブラックフレームモデルが85000円(いずれも税抜き)※2016/5/29現在
アンプとライン、環境に柔軟に対応するハイクオリティサウンド
エレキのモデリングはもちろん、ギターアンプにつないでサウンドを確認しました。アコースティックギターのモデリングも使えなくはないですが、やはりライブやレコーディングを想定した環境を、ということで、A/Bボックスで分岐させ、ラインで出力しました。
この日、使用したPAシステムからは、アコギ特有のエアをたっぷり含んだローが聴こえてきました。どのモデルも「ああ、それっぽい」と、うまく特徴をとらえた出音でしたね。金属弦からナイロン弦のモデルへも一発チェンジが可能です。これにルーパーを足したりすると、一人でアコギバッキングパターンによるエレキソロなんてこともカンタンにおこなうことができますね。
「プロジェクトの最初は折りたたみ形状からスタートしました」
このスターストリームの開発を務めたVOXの三苫さん曰く……
「このプロジェクトが発足したのは3年くらい前でしょうかね。今年のNAMMショーに展示しましたが、その時点で完成していました。
私達日本のチームで開発し、音の煮詰めなどはこちらで、最終的な見た目などを、USAのデザインチームにまとめてもらった感じです。もちろん、世界のVOXアンプを売っている国すべてに流通しますよ。
デジタル技術を扱うにあたって、部品的な違いで差をつけることは難しくなってきています。どこでも同じような部材が使われていますからね。ですので、我々の味付け的なところで、レイテンシーの少なさにこだわったというのが最大の特徴ですね。
似せることに重きを置くよりも、弾いていて音楽に没頭できるように、一つの楽器としての価値を追求した結果、このスピードを実現し、この弾き心地を手に入れることができました。
どんな人に弾いていただきたいか、というのはすべての方、と言いたいのですが、例えば、弾き語りをしている女性シンガーとか、いろんな音色を瞬時に出したい人にオススメしたいですね。軽量というのもポイントです。設定重量は3kg代前半にに設定しているので、女性に、と申しました。あとは、DTMでインターフェイス直挿しでアコースティックギターを使っていただきたいですね。飛び道具系も、このスピード感で弾けますし。
そして、なんといってもこの価格ですから」
とのコメントを頂きました。
肝心なプライスが、定価で85000円(税抜き)からって、コレ、ちょっとスゴくないですか?
ギターを始めたい初心者にとっては、魅力的なプライスで、いろんなギターの音をコレ1本で楽しめちゃう、腕に覚えのある人でも、レイテンシーを極端に少なくした弾き心地を享受できる、とくれば「1本買っておくかな?」となっても、ぜんぜんオカシクありませんよ! 10万円を超えないって素晴らしい!
音質はもちろん、弾き心地と使い勝手の柔軟さにこだわりまくったリーズナブルなギター、いやコレ、正直リーズナブル過ぎて価格とかの問題を超越している気がしますが、「一家に一本」な存在となる気配がしますね。
5月28日(土)より、正式発売となります。店頭にも入荷していますので、ぜひ体感しに来てくださいね〜!
商品ページURL
http://www.chuya-online.com/products/list.php?mode=search&category_id=&name=VOX+Starstream&x=43&y=10
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